退去強制手続きに伴う在留特別許可

在留特別許可申請サービスのトップ >  不法滞在者の手続情報  > 退去強制手続きに伴う在留特別許可

退去強制手続きに伴う在留特別許可

一般的な退去強制手続については以下のとおりです。

①出頭又は収容 ⇒ ②入国警備官の違反調査 ⇒ ③入国審査官の違反審査 ⇒ ④特別審理官による口頭審理 ⇒ ⑤異議の申し出 ⇒ ⑥法務大臣採決 ⇒ ⑦在留特別許可、又は退去強制

 オーバーステーや密入国した人、それに偽造パスポートなどを使って日本に入国した人など、退去強制事由に該当する外国人が入国管理局に出頭し退去強制手続きを受けると、まずは入国警備官が違反調査を行うことになります。

 入管法第二十八条(違反調査について必要な取調べ及び報告の要求)では、入国警備官は違反調査を行うために必要な取調べをする事ができるとされており、その調査方法は任意調査と強制調査に分けられます。

 通常は任意調査が原則で、任意に提出された陳述書や証拠書類を領置するような場合が該当します。一方、強制調査は処分を受ける外国人の意思に関わらず直接に公的強制力を加えて調査をする方法のことで、入管法第三十九条(収容)、及び第四十三条(要急事件)による身柄の収容などが該当します。仮に身柄を収容した場合には、最高60日間の収容をすることができることになっています。これは、入管法第四十一条(収容の期間及び場所並びに留置の嘱託)に記載されており、入国警備官が容疑者である外国人の身柄を拘束できる期間は通常は30日間ですが、やむを得ない事情があると認められるときにはさらに30日間延長することができるとあるからです。

 以前にも退去強制手続きを受けていて退去強制令書が出ていたにも関わらず出国しなかった人や、悪質な犯罪などに関与していた場合などには収容される可能性もありますが、オーバーステーなどで日本人との婚姻を要件に自ら出頭した人(在宅案件といいます)がその場で収容される事はごく稀です。

 この違反調査が終了すると入国警備官から入国審査官へと身柄が引き渡されることになり、収容と仮放免が行われます。収容や仮放免といっても実際に収容されるケースは滅多になく、書類の手続き上、収容と仮放免許可を同時に行うだけのケースがほとんどです。これは法律の解釈の問題になりますが、入管法上、「退去強制事由に該当する外国人はその全員が収容されなければならない。」という考え方があるため、書類上で収容と仮放免を同時に行うことで、収容して仮放免したという事実を作り出すだけのことが多いようです。

 ですので、逃亡するおそれがなく、悪質な案件と判断されない限り、通常は収容と同時に仮放免許可証がその場で発行され実際に収容所に入ることはほとんどありません。ただし、仮放免に伴う保釈金は要求されることがあります。法律上は300万円以下の保釈金となっていますが、収入や生活状況に応じて保釈金なしの場合もあれば、数十万円程度を要求される例が多いようです。

 仮放免許可証が交付された後は期日を指定され、1ヶ月に1度、又は2ヶ月に1度程度の割合で入国管理局への出頭が義務づけられます。そして、仮放免中は住居地や行動範囲などについて制限を受けることとなります。そのため、やむを得ない事情などで遠隔地に出かける場合には、事前に入国管理局へその旨を申し出ておいたほうが良いでしょう。

 このようにして仮放免が行われると、今度は入国審査官による違反審査が行われます。本来、この違反審査は入国警備官が行った調査結果が正しいかどうかを再確認し、万が一にも外国人が退去強制事由に該当しない場合には救済するための措置ですが、婚姻などを要件に自ら出頭した場合には外国人本人が退去強制事由に該当するのは当たりまえであり、一般的には入国警備官が行った違反調査の補足的な審査となっているようです。

 実際の扱いとしては初回出頭時からの家庭環境の変化などを尋ねることが多くあります。そして、この違反審査でも退去強制事由に該当すると判定されれば、入国審査官は3日以内に口頭審理ができる旨を知らせることになります。ここで口頭審理をせずに、この違反調査に服するときは、口頭審理の請求をしない事が記載された書類に署名をし、退去強制令書が発行され退去強制されることになります。

 そのため、原則として日本に在留することを希望する場合には、違反調査終了後に口頭審理の請求を行う事となります。この口頭審理は入国審査官の審査の結果を再審理するためのものであり、本来は退去強制手続きの途中で外国人に弁解や防御の機会を与えるためのものですが、この場合も本人自らが“退去強制事由に該当する”と認識して出頭しているので、調査結果に誤りがないことにほぼ間違いがありません。

 そのため、特別審理官からすぐに違反調査の結果に誤りがない事を示す「判定通知書」が渡されるケースが多く見られます。そして、この判定に異議がある場合、つまり、法務大臣の裁決を希望する場合には、通知を受けた日から3日以内に「異議の申し出」をする事になります。この申し出に対して法務大臣が「異議の申し出に理由がある。」と判断すれば在留特別許可となり、正規の在留資格がもらえることになります。

zaitoku1.gif

 以上の手続きを簡単にまとめると、退去強制手続きを行った場合、通常は外国人に対して3回の弁解の機会が与えられます。1回目が入国審査官による違反審査、2回目が特別審理官による口頭審査、そして、3回目が法務大臣が行う異議申し立ての採決です。

 それぞれの過程における基本的な流れは、①調査⇒②判定⇒③判定に対する不服申し立て、を3回繰り返して、最終的に在留特別許可かどうかが決定されます。そのため1回目や2回目の途中の段階で、仮にも外国人本人が「判定に間違いありません。次の不服申し立てはしません。」という書類に署名した場合には、すぐに退去強制令書が発行され日本から出国することになりますので、注意が必要です。

 ここでは退去強制手続きについて概略的な説明をしましたが、あくまでも一般的な説明です。最近では案件の内容に応じて一部の手続きを簡略化するケースもあるようなので、必ずこのとおりの手続きが行われるとは限りません。

 このページのトップへ 退去強制手続きに伴う在留特別許可 

前のページへ 在留特別許可とは

次のページへ 在留特別許可に関する2つのケース
月~金(9:00~18:00)
土曜日(9:00~17:00)
翌営業日にはお返事いたします
東京都港区赤坂3-21-21