Q2. 不法滞在をすると、どうなるのですか?
Q3. 退去強制されると、二度と日本に入国できなくなるのですか?
Q4. 不法滞在の状態を解消するににはどうしたらいいのですか?
Q5. 不法滞在であっても外国人登録はできますか?
Q6. 退去強制手続きはどのような手順でおこなわれるのですか?
不法滞在とは、一般的には①不法入国者、②不法上陸者、③不法残留者の3つが該当します。もちろん、状況によってはこのうちのどれかだけを指すこともありますが、一般の方が不法滞在といった場合にはこれら3種類のすべての形態を含むケースが大半を占めます。
①不法入国者・・・有効なパスポートなどを所持せずに日本に入国した者を指します。外国人が他人のパスポートを使って入国した場合やパスポートの写真を張り替えたり、許可なく氏名や生年月日などを変更した場合なども含まれます。
②不法上陸者・・・上陸の許可を受けることなく日本に上陸した者を指します。これには2つの形態が考えられ、1つ目は上陸許可の証印や記録などを受けずに日本に上陸した場合であり、もう一つは特例上陸許可(寄港地上陸許可、通過上陸許可、乗員上陸許可など)を受けなければならない状況にも関わらず、これを受けずに日本に上陸した場合です。
③不法残留者・・・在留期間の更新や変更許可を受けずに、日本に滞在することが認められている期間が経過した後も引き続き日本に滞在している者を指します。観光ビザなどで入国した外国人が就労目的でそのまま日本に滞在し続けるケースが典型例と言えます。 退去強制に該当する者(抜粋)
①不法入国者
②不法上陸者
③在留資格を取り消された外国人
④偽造や変造した文章を作成したり提供した者
⑤テロリスト
⑥不法就労を助長させた者
⑦必要な許可を取らずに就労活動を行った者
⑧不法残留者
⑨人身取引の加害者
⑩刑罰の法令違反者
①警察などに逮捕された上で、入国管理局に引き渡され退去強制される。
②自ら出頭し、出国命令制度を利用して帰国する。
③退去強制手続きに伴う在留特別許可を申し出る。
①は、街中での警察官による職務質問や近隣者からの通報などにより、警察や入国管理局に逮捕されるケースです。この場合には原則として退去強制手続きが行われ、本国などに強制送還された後は5年(もしくは10年)の入国拒否期間が設けられることになります。
②は、出国命令制度を利用して自ら出頭し帰国したケースです。この場合には原則として入国拒否期間は1年間に短縮されます。
③は在留特別許可を求める場合であり、何らかの事情でこのまま日本に残り正規に在留したい場合には、退去強制手続きの過程でその旨を申し出ることができます。例外的な措置として法務大臣がこの申出を認めた場合には在留特別許可とされ、そのまま正規の在留資格が与えられて日本に滞在することが可能となることがあります。ただし、申出が認められなかった場合には、当然に海外に退去強制されることになります。
本来であれば在留資格を記載する蘭に「在留の資格なし」と記載されますが、登録自体はよほどの理由がない限りは可能です。
①違反調査 ⇒ ②違反審査 ⇒③口頭審理 ⇒④法務大臣の裁決
という順番で行われます。
退去強制手続きの中での違反調査とは第一段階にあたる調査です。これは退去強制事由に該当すると思われる外国人に対して、入国・上陸または在留に関する違反事件を調査し違反事実の有無を明らかにするための活動です。
違反調査を行うに至るケースとしては、第三者からの通報や容疑者本人の申告、それに入国警備官が実際に現場にいて確認した場合などがあり、違反調査を実行するためには退去強制事由に該当すると推測させる程度の資料があれば十分とされています。
そして、違反調査の結果、退去強制に該当する客観的かつ合理的な根拠がある場合には、入国警備官は収容令書によりその外国人を収容することになります。この収容は法律で明文化されている訳ではありあませんが、現在の法解釈では退去強制手続きを進めるにあたっては容疑者をすべて収容する「収容前置主義」がとられているため、原則として退去強制事由に該当する外国人はそのすべてが収容されることになります。
このようにして収容された場合の収容期間は30日以内とされていますが、やむを得ない事由がある時にはさらに30日延長する事が出来るとされているため、収容令書により外国人を収容した場合には最長で60日間の収容が可能となります。このようにして外国人を収容した場合には、入国警備官から入国審査官へと身柄が引き渡されることになります。入国警備官の違反調査が終了すると入国審査官身柄が引き渡され、退去強制手続の第二段階と言える違反審査が行われます。入国審査官は入国警備官から引き渡された調書や証拠物に基づき、その外国人が退去強制事由に該当しているかどうか、さらに出国命令対象者に該当しないかどうかを審査します。 審査の結果、入国審査官は退去強制事由に該当しないことなどが明らかになれば、すぐにその外国人を放免することになります。しかし、退去強制事由に該当すると認定した場合には、入国審査官はその外国人に対して口頭審理の請求ができる旨を知らせた上で、審査の結果を書面で伝えます。その外国人が口頭審理放棄書に署名するなどの「口頭審理の請求をしない」旨の意思表示をした場合には、速やかに退去強制令書を発布することにより退去強制手続がとられます。しかし、その外国人が入国審査官による通知を受けた日から3日以内に口頭審理の請求をした場合には、特別審理官による口頭審理が行われます。
口頭審理は退去強制手続の第三段階とも言え、前段階の入国審査官が行った「退去強制事由に該当する」という認定に誤りがないかを再検討するものです。審理の結果、入国審査官の認定に誤りがある、つまり「退去強制事由に該当しない」となればその外国人はただちに放免されます。しかし、認定に誤りがないと判定した場合には、特別審理官はその外国人に対して異議の申し出ができる旨を知らせた上で、判定の結果を伝えます。
退去強制手続きの中での法務大臣の裁決とは、違反審査の時と同じように、口頭審理の判定結果を受けた外国人は3日以内に法務大臣に対して異議申し出をすることができ、これが退去強制手続の最終段階とも言うべきものです。これに伴い法務大臣が異議の申出に理由があるかどうかを採決することになります。異議の申出には「不服の理由を示す資料」を提出しなければならないとされており、その内容としては以下のような理由が規定されています。 ①審査手続きに法令の違反がある ②法令の適用に誤りがある ③事実の誤認がある ④退去強制が著しく不当である 申出に理由が認められれば、つまり、①~④のどれかに該当すると認められればその外国人はただちに放免され、逆に異議に理由が認められなければ退去強制令書が発布されます。
ただし、法務大臣の裁決において、法務大臣が異議の申し出に理由がないと判断した場合でも、以下のような場合には在留を特別に許可することができるとされています。
①永住許可を受けているとき
②かつて日本国民として日本に本籍を有したことがあるとき
③人身取引などにより他人の支配下に置かれて日本に在留するものであるとき
④その他、法務大臣が特別に在留が許可されるべき事情があると認めるとき
これが在留特別許可と呼ばれるものであり、国際結婚に関連して在留特別許可が出される場合には、その大半が④の理由に該当します。在留特別許可はこのような退去強制手続きに基づき行われ、法務大臣の裁決の特例として付与されています。















